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消化器内科

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  • 消化器内科
  • 皮膚科
  • 美容皮膚科

〒860-0863 
熊本県熊本市中央区坪井1丁目3-46

診療時間 日祝
9:00~13:00
~14:00

~14:00
14:30~18:00

休診日水曜・土曜午後、日曜、祝日

受付は診察終了時間の15分前までにお願いいたします。
皮膚科は「順番予約」となります。なるべくWEB予約をご利用ください。急患や処置を要す場合があり、順番が前後することもありますのでご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。
※美容皮膚科は、完全予約制(電話・WEB)となりますのでご了承ください。
※整形外科は月曜・金曜の午後診療のみで、新患の受付は基本的に行えませんのでご了承ください。

消化器内科とは

消化器内科画像

体内器官のうち消化器を大きく分類しますと、「消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)」と「肝臓」、「膵臓」、「胆のう」といった器官に分かれます。
これらの器官に何らかの異常を来し、消化・吸収・蠕動運動(摂取物の運搬)に支障を来した際に対応する診療科が消化器内科となります。

消化器内科で患者様が訴える主な症状(例)

  • 胃痛・腹痛
  • 胸やけ・胃もたれ
  • 嘔気・嘔吐
  • 便秘・下痢
  • 急激な体重の減少
  • 嚥下困難(水や食物を上手く飲み込めない)
  • 血便・黒色便
  • 食欲がない など

当院では
上記のような症状で受診された際に、あらゆる可能性を考慮し、必要に応じてレントゲン検査、腹部超音波検査、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)を行い、診断・治療が可能です。また、健康診断で行われた便潜血検査で陽性の判定を受けた場合もご相談ください。

胃カメラ・大腸カメラはこちら

消化器内科で取り扱う代表的な疾患

  • 逆流性食道炎
  • 食道カンジダ症
  • 急性胃炎
  • 慢性胃炎
  • 胃・十二指腸潰瘍
  • ピロリ菌感染症
  • 機能性ディスペプシア
  • 感染性胃腸炎
  • 急性腸炎(虫垂炎、憩室炎、虚血性腸炎など)
  • 便秘症・下痢症
  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • クローン病
  • 潰瘍性大腸炎
  • 脂肪肝
  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 胆石症・胆嚢炎
  • 胆嚢ポリープ
  • 急性膵炎・慢性膵炎
  • 食道がん・胃がん・大腸がん
  • 肝がん胆嚢がん膵がん
  • アニサキス症  など

「逆流性食道炎」とは

胃酸(塩酸や消化酵素)や胃の内容物が胃から食道に逆流し、食道粘膜が炎症を起こす状態です。食道粘膜には胃酸に耐えられる防御力はなく、逆流したものが長く留まると炎症を起こしてしまうのです。

<原因>

胃と食道の接合部に逆流を防ぐ括約筋が存在します。この括約筋の衰えや、腹圧の上昇(体重増加や着物の帯による)などで逆流を引き起こしやすくなります。そのほかコーヒーや高脂肪食品、アルコール、たばこなどが逆流を起こしやすいとされています。加齢や欧米食生活が発症リスクを高めるため、逆流性食道炎の発症数は近年増加傾向にあります。生活習慣によって再発しやすく、早期治療が再発予防に重要であるとともに、食道の炎症が長期化すると食道がんのリスクが上昇します。

<症状>

  • 胸焼け、痛み
  • 胃のムカムカ、違和感
  • 吐き気
  • 呑酸(胃酸がこみあげて、酸味や苦味が口に上がってくる)
  • のどの違和感・痛み・声枯れ
  • しつこい咳

<慢性化して進行した場合>

炎症を放っておくことで起こり得ることがあります。食道粘膜が胃の粘膜のように変化するバレット食道(食道がん発症リスク)、強い炎症と治癒を繰り返すことで起こる狭窄、強い炎症により血管を傷つけることで起こる出血、吐血。上記のような症状がある場合は一度ご相談ください。

<治療>

生活習慣によって症状がある方は、姿勢の矯正や肥満解消、食後すぐに横にならないなどの対処で症状を軽減できることもあります。また、多くは胃酸の分泌を抑制する内服薬で症状を抑えられますが、それでもなお症状が持続する場合は消化管運動改善薬や向精神薬などの併用を要すこともあります。難治性で重症の場合は、まれに外科手術が行われることもあります。

「ピロリ菌」とは

胃内は飲食物を消化したり細菌を殺菌したりする強力な胃酸(塩酸+消化酵素など)があるため、生物は胃内で生息できないと思われてきました。ところが1983年、胃内で生息できる細菌が発見されました。これがヘリコバクター・ピロリ菌です。ウレアーゼという酵素によって胃粘液に含まれている尿素を分解してアルカリ性のアンモニアを作り出し、周囲の胃酸を中和することによって胃の中での生息が可能になっています。

<経過>

ピロリ菌に感染すると慢性胃炎を起こし、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃MALTリンパ腫、紫斑病などの原因となります。また慢性的な胃炎が進行して萎縮性胃炎になると胃がん発症リスクが大幅に上昇してしまいます。

<原因>

諸説ありますが衛生環境の整っていない井戸水などを介したり、幼少期に食べ物を口移ししたりなどの可能性が指摘されています。多くは幼少期の感染で、成人してからの新規感染はほとんどありません。日本においては高齢者の感染率がいまだ高い状態が続いていますが、若い世代の新規感染は減少しています。

<ピロリ菌感染の検査>

当院で行うピロリ菌感染評価の検査は2種類あり、「抗体測定法」と「尿素呼気試験法」をご紹介します。

抗体測定法:血液検査を行い、ピロリ菌に対する抗体の有無を調べます。

尿素呼気試験法:朝絶食で来院頂き、呼吸の検査を行います。これはピロリ菌が持つ酵素(ウレアーゼ)によって作られる二酸化炭素の量を測定するものです。検査時間は30分ほどかかります。

いずれも胃カメラを用いない検査で制度の高い方法です。

<除菌療法>

3種類の内服薬を朝夕に1週間内服いただく治療になります(内訳は2種類の抗菌薬と、1種類の胃酸分泌抑制剤)。1回の除菌(一次除菌)で80%以上の方が成功し、20%弱の方が不成功となってしまいます。その場合薬剤を一部変更して2回目の除菌(二次除菌)となり、ここまでで95%以上の方が除菌成功します。
抗菌薬はアモキシシリンとクラリスロマイシンを使用するため、これらに対してアレルギーのある方や下痢を来す方は注意を要しお渡しできない場合があります。

<保険適応について>

ピロリ菌検査や除菌療法を行うためには、消化性潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がん内視鏡治療後、ヘリコバクター・ピロリ菌感染による慢性胃炎と診断されている必要があります。また、慢性胃炎は胃カメラ検査によって診断されたものという条件があります。バリウムを使ったX線検査で胃炎があると診断されてもピロリ菌除菌治療は保険適用になりませんのでご注意ください。

「胃潰瘍・十二指腸潰瘍」とは

胃は食物を消化する胃酸(塩酸や消化酵素)と一緒に、胃粘膜を保護する粘液も分泌することで正常に保たれています。この胃酸と粘液の分泌バランスが崩れると、びらん(浅いきず)・炎症が生じ、進行すると胃粘膜や十二指腸粘膜に潰瘍を形成してしまいます。

<症状・リスク>

胃潰瘍では食事中や食後の心窩部(みぞおち)痛が、十二指腸潰瘍では空腹時の心窩部痛がみられる傾向にあります。

  • 空腹時もしくは食後にみぞおち付近が痛むことがある
  • 便が黒い
  • 吐き気
  • 貧血気味あるいは貧血を指摘された
  • 慢性的に食欲不振が続いている
  • ピロリ菌を調べたことがない
  • よく痛み止め(内服、湿布)を使っている

<原因>

ピロリ菌感染や胃酸過多、血流障害、薬剤性(鎮痛薬や解熱剤、抗血栓薬やステロイドなど)、環境ストレス(重労働や睡眠不足)、香辛料・刺激物の過剰摂取、喫煙などです。

<経過>

潰瘍を放ってしまうと潰瘍が深くなり、重症になると胃や十二指腸壁に穴があく「穿孔」、血管を傷つけて「大量出血」、「吐血」を招く可能性があります。場合によっては緊急手術となるケースもあるため、決して軽視できません。

<治療>

日頃からストレスに晒されたり、痛み止めを使用せざるを得ない方には制酸剤や胃粘膜保護剤により潰瘍予防に努めます。また、ピロリ菌が原因で発生した潰瘍であればその除菌療法を行うことで、再発が防げます。

<さいごに>

胃十二指腸潰瘍は日頃の問診だけで診断することがやや困難となっております。ピロリ菌の判定や胃カメラ検査を一度もお受けになったことがない方はお気軽にご相談下さい。当院では苦痛に配慮し、可能な限り楽な検査をご提供できるよう対応しております。また、平日お忙しい方も検査を受けられるよう土曜日(9:00~14:00)も胃カメラ検査を実施しております。

「機能性ディスペプシア」とは

あまり馴染みのない言葉かと思います。食道や胃、十二指腸に病変がないのに、いつも胃痛や胃もたれ、お腹の違和感や張った感じなどの症状が続くとき「機能性ディスペプシア(functional dyspepsia, FD) 」(以下、FD)が疑われます。

<症状>

  • 食後の胃もたれ
  • 腹部膨満感
  • 早期飽満感(少量の食事で満腹になる)
  • みぞおちや胃の痛み(灼熱感)
  • 胸焼け
  • ゲップ
  • 吐き気

<原因>

消化管(特に食道や胃、十二指腸)の運動機能になんらかの障害を来すことで症状が出ると考えられています。胃には本来「適応性弛緩(食べ物を貯留する)」と、「胃排出能(十二指腸へ食べ物を送る)」が備わっています。過食や高脂肪食、飲酒や喫煙、過労や睡眠不足、精神的ストレスなどが原因でそれらの機能に障害を来すようです。また、胃酸過多やピロリ菌感染などにより食道や胃の知覚過敏が起こり、膨満感やみぞおちの灼けるような灼熱痛を感じることがあります。

<診断>

上記のような原因と、どのような症状がいつ、どのくらい続くのかの関係について聴取する必要があります。FDの診断で最も大切なことは、その他の原因(がん、炎症、潰瘍、ピロリ菌感染など)の有無を調べ、一つ一つ除外していくことです。そのためには胃カメラ検査や、血液検査、腹部超音波検査(エコー検査)、CT検査などを行うことがあります。

<治療>

症状改善と再発防止を目的とし以下の治療を中心に行います。

  • 生活指導
    前述しましたが、暴飲暴食や高脂肪食、刺激の強い香辛料を好んだり、アルコール摂取、喫煙などが、症状を引き起こすことがあるためそれらの生活習慣を見直します。また、睡眠や休息を十分にとって規則正しい生活を心がけ、ストレス軽減することで症状が緩和することがあります。できることから始めて、持続することが大切となります。
  • 薬物療法
    胃酸分泌抑制剤(H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターと呼ばれるもの)や蠕動運動促進薬の内服で効果が見込めるケースも多くなっています。そのほか漢方薬や抗うつ薬、抗不安薬などが有効な場合もあります。それでもなお症状が持続してしまう場合はFD特有の内服薬もありますので、相談しながら調整していきましょう。

<当院でできること>

以前はストレス性胃炎などと診断されていたものに相当するのかもしれません。現在はFDの診断が付けば症状に合わせた適切な治療が受けられるようになってきています。胃カメラ検査で「異常なし」と言われたにも関わらず、症状が持続している方を多くお見受けします。当院では消化器内科専門医により、この「FD」や「食道蠕動運動異常」などについてもご相談承っております。ささいな事でもお気軽にご相談ください。

「アニサキス」とは

魚介類の内臓や筋肉に寄生する寄生虫です。宿主が死んでも内臓にいたアニサキスが筋肉に移動しますので、刺身などを食べて発症するケースが多くなっています。ほとんどの場合、サバ・サンマ・イカ・サケなどの身近な魚介類を生の状態や火が十分に通っていない状態で食べて発症します。2~3cmの長さで幅1mm程度、半透明の白い糸のような形状なので、注意深く観察したら肉眼でも発見できます。

<症状>

体内に入ったアニサキスが胃壁や腸壁に食い込み、アレルギーを引き起こすことで食後数時間後に激しい腹痛を起こします。場合によっては吐き気や嘔吐、腹部膨満感を訴える方もおられます。

<経過>

人間の体内でも最長1週間程度生息します。生きている間は強い痛みが続きます。こうした症状があったら早めに受診しましょう。

<治療>

胃カメラ検査でアニサキス虫体の確認・除去が可能です。複数のアニサキス虫体が確認される場合もあるため、胃内を十分に観察します。食後7時間程度経過していれば胃カメラによる検査・治療が可能です。アニサキスを除去できれば、ほとんどの場合症状が落ち着きます。

<予防>

アニサキスは、60℃以上で1分間または70℃以上の加熱処理、-20℃以下で24時間以上の冷凍処理によって死滅します。しっかり冷凍処理された魚介類を解凍した刺身や、中心までしっかり加熱処理したものであれば安全です。リスクが特に高いのは、天然で新鮮な魚介類の内臓を食べることです。

<その他の豆知識>

実はアニサキス症は「胃アニサキス症」と「腸アニサキス症」、「消化管外アニサキス症」、「アニサキスアレルギー」を引き起こします。99%が「胃アニサキス症」であり、胃カメラによる治療で改善します。
また、急性アニサキス症(劇症型)と慢性アニサキス症(緩和型)に分類され、食後数時間~十数時間後に症状を起こすのが急性(劇症型)であり、多くはこのタイプです。一方の緩和型は症状に乏しいため、健康診断の胃カメラの際などに偶然発見されることがあります。

その他、「腸アニサキス症」は食後数日後に症状を起こすため、アニサキスによるものとわからないケースがよくあります。主な症状として下腹部の痛み、吐き気・嘔吐、重症例では腸閉塞や腸穿孔、腹膜炎などの合併症を起こすことがあります。胃カメラ検査ではアニサキスを発見できないため、対症療法を主に行いますが、重症化した場合には手術が必要になることもあります。
また、「消化管外アニサキス症」についてですが、これはまれにしか起こりません。アニサキスが消化管の外(腹腔内)に出てしまう状態です。大網や腸間膜など寄生先の組織によって治療法が変わりますので、症状がある方は我慢せず早めの受診をおすすめします。

さいごに「アニサキスアレルギー」ですが、丁寧に調理してアニサキスを完全に除去した魚介類やしっかり加熱したものを食べても症状を起こすことがあります。アニサキスに対するアレルギー反応を起こしている状態です。ほとんどの症状は蕁麻疹で、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、場合によってはステロイド剤を用いて治療します。ごく稀ですがアナフィラキシー・ショックの報告もあるようです。

「過敏性腸症候群」とは

いつも便秘や下痢などの便通異常や腹痛、腹部膨満感などの症状に悩まされているのに、内視鏡検査・血液検査・超音波検査では異常が見つからない場合、「過敏性腸症候群」を疑います。主に腸の運動機能の問題で症状が出ている可能性があります。若い世代の発症が多く、男性は慢性的な下痢を繰り返す下痢型、女性では慢性的な便秘が続く便秘型が多いとようです。

<症状>

我慢し難い腹痛や下痢に突然おそわれることが頻回にあるため、外出や学業、仕事にいつも不安を感じるようになります。症状により「便秘型」、「下痢型」・便秘と下痢を繰り返す「混合型」、「膨満感などを伴う分類不能型」に分けられます。

<セルフチェック>

下記の症状の複数に当てはまる場合は過敏性腸症候群が疑われます。

  • 慢性的に腹痛・便秘・下痢を繰り返している
  • 急激に腹痛がありトイレに駆け込むことが度々ある
  • 会議や打ち合わせなどの時にお腹が痛くなる
  • テストや発表などの場面で腹痛を起こす
  • 急な下痢が不安で、旅行や映画などの外出が不安
  • 緊張や不安でお腹が張る、おならが出てしまう
  • お腹の不調が1ヶ月以上続いている
  • 休日や旅行先など環境の変化で便通の状態が変わる
  • 睡眠中やリラックスした状況では症状が出ない

<原因>

腸の運動機能は自律神経によりコントロールされているため、このバランスが乱れると症状が出やすくなります。神経伝達物質のセロトニンの関与や免疫異常、腸内細菌叢のみだれ、睡眠時間や質、環境ストレス、消化管の知覚過敏や蠕動運動のみだれ、運動習慣など様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

<診断>

疑うことは簡単ですが、他の疾患がないことを確認することが重要です。特に早めの治療を要すがん、潰瘍性大腸炎やクローン病などはその代表と言えます。大腸カメラで粘膜異常がないこと確認できれば本症の確定診断へと近づくわけです。大腸カメラは粘膜の状態を直接観察でき、疑わしい病変がある場合は組織採取も可能ですので、幅広い大腸疾患の確定診断が可能です。

<治療>

前述しましたように様々な要因が複雑に関わっているため、一つの治療が奏効するわけではありません。下記にご紹介する対症法を日頃から心がけて頂くことで、少しでも排便の不安を軽減できる体調を手に入れましょう。

  • 薬物療法
    腸管の動きや便の硬さをコントロールする薬や整腸剤で腸内細菌のバランスを整えます。漢方は体質改善の効果を期待して併用することもあり、大建中湯(だいけんちゅうとう)や桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)の有効性がささやかれています。慢性的な疾患であるため効果の出方に個人差があるため、相談しながらゆっくり治していくことが大切です。
  • 食事療法
    排便機能の障害ですので、やはり飲食物の種類や量、嗜好品と直結することがあります。一般的には炭水化物や、脂肪分の多い物、タバコやアルコール、香辛料なども症状の悪化につながることがあります。特に症状が強いと感じた時に前日、前々日に食べたり飲んだりしたものを思い返してみてください。メモを残しておくとその傾向が分かることがあります。乳酸菌や食物繊維を意識すると症状が軽減する方もおられます。
  • 運動療法
    便秘も下痢も、適度な運動が効果的です。とは言いましてもなかなか困難なものです。運動習慣がない方は、まずはジョギングなどの軽い有酸素運動を週に2回程度から始めてみましょう。継続し習慣づけることが最も重要です。運動習慣が難しい方は、普段から速足や広い歩幅を意識したり、階段を使ったり、徒歩で買い物に行くなどでも構いません。目安としては脈拍が速く(100回/分以上)なり、軽く汗ばむ程度の運動を20分以上続けると良いでしょう。負荷のかけ過ぎは継続が困難となるため、まずは続けることを目標として下さい。
  • 心理療法
    腸管運動は自律神経と密に関係しているため、心理的なストレスがお腹の症状に直結します。普段からストレスに過敏な方は心理アプローチも有効性が認められています。症状が出てしまうメカニズムを知っておくだけでも、少し不安が解消されたりするものです。当院では消化器内科専門医が些細な悩みも汲み取り、丁寧に說明することで、一緒になって対症法をみつけていくお手伝いをさせていただきます。また、ご希望の際は認知行動療法やカウンセリングを行う医療機関をご紹介致します。

「血便」とは

便に血が混じっている状態で、消化管(口~肛門)のどこかから出血しているサインです。血便の色や性状、量などで、どの部位からの出血なのかある程度分かります。血便を認めた際は、慌てずしっかり観察していただくか、スマートフォンで撮影していただくと診察時にとても参考になります。

<血便の性状>

  • 便に赤い血が付く
  • 拭いた紙に赤い血が付く
  • 便器が出血で赤くなった
  • 真っ黒い便が出た
  • いちごジャムのようなものが便に混じっている
  • 下痢に血液が混じる

など

<便の種類と出血部位>

  • 鮮血便
    真っ赤な血液が付いたり、便器内が真っ赤に染まる状態です。肛門周辺や直腸からの出血であり、痔疾(いぼ痔、切れ痔)によるものがほとんどです。ただし、「直腸がん」でも鮮血便を認めるため、決して軽視できません。早めに受診しましょう。
  • 粘血便
    よく例えられるのが「いちごジャムのような血便」もしくは粘膜混じりの便が出る状態です。潰瘍性大腸炎やクローン病といわれる特殊な炎症性腸疾患でみられる場合や、赤痢、アメーバなどの感染で見られる場合があります。自然に治ることは少ないため、認めたら早めに受診しましょう。
  • 暗赤色便
    レンガ色や赤紫色、赤黒い便です。肛門・直腸からやや離れた大腸(盲腸や結腸)もしくは小腸から出血している可能性を疑います。代表的な疾患としましては大腸憩室炎や感染性腸炎などのほか、血流障害によって起こる虚血性腸炎などが考えられます。比較的出血量が多い場合があり早急な治療を要します。
  • 黒色便(タール便)
    真っ黒な便ですがこれも血便です。出血部位としては胃や十二指腸であり、急性で多量の場合は出血性ショック状態となる可能性もあるためとても危険です。胃がんの可能性やみぞおちの痛みなど伴う時は深い潰瘍を形成している可能性もあり、場合によっては手術など検討する必要がありますので、我慢せずに早めに受診するようにしてください。
    そのほか、貧血治療で鉄剤を服用すると黒色便が出ますので、鑑別が必要です

<検査>

レントゲン検査や胃・大腸カメラを検討します。特に胃・大腸カメラでは直接粘膜の状態が把握できるため確定診断に有用なだけでなく、出血部位が同定できれば止血術を行うことも可能です。

<さいごに>

当院では専門医が最新内視鏡システムを使用し、スタッフとともに患者様の苦痛を最大限に考慮した検査を提供致します。ささいな事でも安心してご相談ください。

「虚血性腸炎」とは

大腸へ栄養する動脈の狭窄や閉塞により血液流量が不足(虚血きょけつ)することで、大腸粘膜に炎症や潰瘍を引き起こすようになります。特にお腹の左側の下行結腸にあたる部位が虚血状態となりやすい傾向にあります。

<症状>

下痢、腹痛(お腹の左側が多い)、発熱、血便といった症状がほとんどです。また、重度の虚血状態になると腸管内腔が狭小化し、腸閉塞に近い状態となることがあるため、腹部の膨満感や嘔吐などの症状を併発する場合は要注意です。放置すると腸管粘膜の壊死を起こす可能性もありますので、決して軽視しないことが重要です。

<原因とリスク>

一般的に便秘でお悩みの高齢女性に多いとされています。一過性の血流不足が引き起こす病態であるため、便秘による腸管内圧の上昇や、逆に激しい下痢による大腸の過収縮で起こることが多い疾患となっています。当然、動脈硬化により発症リスクが高まります。

<検査>

血液検査のほか、レントゲン検査や腹部エコー検査、大腸カメラを行います。特に、大腸カメラでは、大腸粘膜の状態を直接確認できるため、炎症の部位や程度を評価でき、病変組織を採取し病理検査で診断することも可能です。当院では、専門医が最新の内視鏡検査機器を使用して検査を行い、患者様の苦痛を最小限に抑えた検査を提供いたします。

<診断>

発熱を伴う腹痛や下痢、血便などの症状は他の大腸疾患でも見られます。そのため、大腸がんやクローン病・潰瘍性大腸炎、感染性腸炎、大腸憩室炎などの可能性を考慮し、それらと区別することが重要です。

<治療>

一過性の症状であることが多く、治療の基本は数日間の「腸管安静」になります。重症の場合(腸管狭窄や壊死)は、外科的加療(手術)を要す場合があるため、入院(紹介)・精密検査をご案内します。

<再発予防>

肥満や便秘の解消と、動脈硬化予防、生活習慣病の改善がリスクを低減させます。

「便秘」とは

排便回数の減少だけでなく、硬便、排便時のいきみ、などの症状も含まれる点が重要で、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。

<背景>

特に女性においては、20代~60代の方の50%以上が便秘を気にされている傾向があり、高齢者においては、年を重ねるごとに便秘の悩みが急増しています。

<鑑別と診断>

最も重要な点として「二次性便秘症」の除外が必要です。つまり大腸癌や腸閉塞といった器質的疾患に伴う便秘の除外は必ず念頭におくことです。そのほかの二次性便秘の原因として糖尿病や甲状腺機能低下症、パーキンソン病などの神経疾患に伴って生じるものがあります。また、特に高齢者医療において問題となるのが薬剤性便秘です。これらの可能性を念頭に置き見逃しのないよう注意することが必要です。

<症状>

以下の様な症状がある方はご相談下さい

  • 目安として3日以上排便がないことが頻回にある
  • 市販の便秘薬に頼っている
  • お腹が張ることが多い
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 便秘がちで下半身がむくみやすい
  • 血便や黒い便がみられる
  • 便秘に伴い肌あれ、吹き出物が治らない

<便秘薬の変遷>

これまでの便秘治療には「緩下剤(酸化マグネシウム)」と「刺激性下剤」の2種類しか使われてきませんでした。双方とても良薬ですが、「刺激性下剤」については注意が必要です。特にセンナ、アロエ、ダイオウ等の効果はかなり強く、便秘は解消されやすい反面、長期使用による効果減弱、習慣性や依存性、便意消失を来すなどの問題点が課題となっております。これらを避けるために刺激性下剤の連日使用は控えるべきなのです。

そこで2012年、およそ30年ぶりに便秘症に対する新薬が登場しました。それ以降続々と新規治療薬が本邦で使用可能となってきており、着実にその実績を伸ばしています。とは言え、やはり個々にあった処方・調整が必要であり、そのコントロールは容易ではありません。

また、漢方薬も便秘診療において一躍を担っています。漢方に含まれるダイオウや甘草(カンゾウ)の量、便秘に伴う腹部症状の有無によって使い分けが必要です。
便秘でお悩みの方は早めにご相談いただくことで、ご自身にあった便秘薬を見つけることができると思います。

<日常生活におけるポイント>

また、便秘気味の方は薬剤治療のみならず、日常生活において以下のポイントを意識していただくことで、症状を軽減できる可能性があります。

①適切な運動習慣(少なくとも20分以上、軽く汗ばむ程度の軽運動を2回/週から)
②十分な水分摂取と食物繊維
③排便時の姿勢を工夫(前傾姿勢:大腿骨と椎骨の角度が 35°)

慢性便秘症の患者は,直腸まで便が来ても便意を感じないことが多い,その意味においても,処方した薬剤がその薬効を適切に発揮するためには,排便時にトイレに行き,適切な前傾姿勢をとることが非常に重要である。

<治療目標>

理想は「完全排便」。これは直腸内の便塊を、いきむことなく排出し、残便感がない状態をいいます。適切な便の形状と適切な腸の蠕動運動を維持することがこれに近づくためには「ブリストル便形状スケール」のタイプ4が理想とされており、最も満足度が高いとされています。最近登場してきた新薬達は、タイプ4の便形状を実現できることが証明されています。しかし、患者様は一人ひとりその生活が異なるため、その人にあった治療薬を我々が提案し継続することが最も重要と考えます。

「潰瘍性大腸炎」とは

直腸から盲腸にいたるまでの粘膜に慢性炎症を起こし、強い炎症になるとびらんや潰瘍を形成します。現在完治できる治療法がなく、症状のある「活動期(再燃期)」と症状のない「寛解期(かんかいき)」を繰り返しながら進行します。炎症を可能な限り抑えることで寛解期をできるだけ長く持続させることを目標とし加療を行っていきます。

<原因>

免疫反応が過剰に働き、TNF-αと呼ばれる体内物質が多量に作られることで炎症を引き起こします。しかし、何がきっかけで免疫反応を過剰に導くのかといった原因がまだ解明されていません。完治できる治療法がないため「難病指定」を受けています。

<症状>

時々発熱を伴う腹痛と下痢・血便を認め、「活動期(再燃期)」と「寛解期」を繰り返します。重症化すると貧血や体重減少を来し、場合によっては腸管の「狭窄」や壁に穴があく「穿孔」、「巨大結腸症」などを起こすことがあります。腸管以外に手足の関節や皮膚、目などに特徴的な発赤や腫脹を伴うこともあります。なお、大腸がんのリスクもあるため、定期的に大腸カメラを行い粘膜の状態と共に腫瘍の発生の有無を調べる必要があります。

<検査と診断>

上記のような症状があり潰瘍性大腸炎が疑われた場合には、積極的に大腸カメラを行います。「一時的な感染性腸炎」や「クローン病」など鑑別を要し、潰瘍性大腸炎特有の粘膜状態がないか、炎症の範囲や程度を確認します。同時に組織検査も可能であり、確定診断に大きく役立ちより適切な治療が選択可能になります。

<治療>

繰り返しになりますが現在完治できる治療法がないため「難病指定」を受けています。治療の目標はできるだけ早く炎症を抑えることで症状を鎮め、「寛解期」をできるだけ長く保つことです。最近はお薬もどんどん改善され、炎症を上手に抑えられるケースも増えてきています。注意点としては、「経過が良いから」と治療を中断してしまい病状を悪化させてしまうことです。なかには病状コントロールが困難な患者様もおられ、ステロイドや生物学的製剤(抗TNF-α抗体の注射や内服)の投与を検討する場合があります。

<生活上の注意点>

「経過良好」を理由に治療を中断しないようにしましょう。腸の疾患であるため生活習慣とは密接に関連しています。以下の内容を意識しながら生活することで、病状悪化をなるべく避けるようにしましょう。

食事:暴飲暴食は腸に負担がかかります。適度な量とバランスの良い内容を心がけて下さい。

アルコール:寛解期の飲酒であれば適量は問題ありません。もちろん過度の飲酒は大きな負担となり厳禁です。

運動:あまり負担のかかりすぎない、習慣として続けられる量が大切です。運動と腸管のコントロールには密接な関係があるため、運動習慣はかなり効果的と言えます。

妊娠・出産:妊娠中は再燃しないように特に厳密なコントロールが必要であるため、可能であれば妊娠前に主治医に相談しておくと安心です。なお、突然妊娠がわかった場合も服薬を中止せず、すぐに主治医にご相談ください。

「クローン病」とは

口腔内から小腸、大腸、肛門にいたるまでの粘膜に慢性炎症を起こし、強い炎症になるとびらんや潰瘍を形成します。

<特徴>

潰瘍性大腸炎が大腸粘膜で炎症を起こすのに対し、クローン病では口から肛門まで消化管全域に炎症を起こし得ます。炎症範囲が広いということは、栄養障害を起こすリスクが高いため、「栄養療法」や「食事制限」が必要となるケースがあります。こうした治療法の違いがあるため、正確な診断が不可欠です。現在完治できる治療法がなく、症状のある「活動期(再燃期)」と症状のない「寛解期(かんかいき)」を繰り返しながら進行します。炎症を可能な限り抑えることで寛解期をできるだけ長く持続させることを目標とし加療を行っていきます。

<原因>

免疫反応が過剰に働き、TNF-αと呼ばれる体内物質が多量に作られることで炎症を引き起こします。しかし、何がきっかけで免疫反応を過剰に導くのかといった原因がまだ解明されていません。完治できる治療法がないため「難病指定」を受けています。

<症状>

腹痛や下痢、血便や粘血便、発熱、嘔吐、体重減少、口内炎、肛門周囲の異常(切れ痔、痔瘻、潰瘍、膿)など多彩です。もう一つ潰瘍性大腸炎との大きな違いは、炎症が粘膜の深い層にも広がることです。これはとても重要なことで、炎症や潰瘍の範囲が広く深いということは、腸管の狭窄・穿孔・膿腫・瘻孔などを引き起こし、腹痛、腹部膨満感、嘔吐などを来し得るということです。また腸管以外にも手足の関節、皮膚の発赤・腫脹、目などに合併症を起こすこともあります。

<検査と診断>

上記のような症状がありクローン病が疑われた場合には、積極的に胃カメラ・大腸カメラを行います。「一時的な感染性腸炎」や「潰瘍性大腸炎」など鑑別を要し、クローン病特有の粘膜状態(縦方向に走る潰瘍・敷石像など)がないか、炎症の範囲や程度を確認します。同時に組織検査も可能であり、確定診断に大きく役立ち、より適切な治療の選択が可能になります。また、クローン病の診断や疑いが指摘された方は透視検査(バリウム造影)を行うことで、小腸粘膜の評価をする必要があります。特に小腸潰瘍の形成と寛解を繰り返すことは、小腸を硬く、狭窄させてしまうためその評価が大変重要になります。

<治療>

繰り返しになりますが現在完治できる治療法がないため「難病指定」を受けています。薬物療法と併せて、食事・栄養療法を行い状態が悪くならないようコントロールすることで、「寛解期」を可能な限り長く持続させる事を目標とします。そのためには「栄養療法」、「薬物療法」と「日常生活での注意」を心がけ継続する必要があります。

  • 栄養療法
    脂肪を殆ど含まない成分栄養剤もしくは、少量のタンパク質と脂肪の含有量がやや多い半消化状態栄養剤の経口投与を行う方法を「経腸栄養療法」といいます。そのほか、重度の狭窄や広範囲に小腸病変が存在する場合には経口摂取が望ましくなく「完全中心静脈栄養法」が選択される場合もあります。クローン病では特定の食物で炎症を悪化させてしまうことがあり、個々でその種類が異なります。患者様一人ひとりに合った食物の量や摂取のタイミングを考慮し、偏りのない栄養摂取を調整することが重要です。
  • 薬物療法
    5-ASA製剤と呼ばれる薬剤により炎症を継続的に抑えることが基本となります。炎症が増悪し全身状態に影響が及んでいる場合にはステロイド薬や免疫調節薬、生物学的製剤(抗TNF-α抗体の注射や内服)、血球成分除去療法などが選択されます。最近は薬の改善、新薬の開発も進んでおり炎症を上手に抑えられるケースも増えています。しかし重症の場合は手術を余儀なくされる場合もあります。
    「経過が良いから」と治療を中断してしまい病状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。

<生活上の注意点>

「経過良好」を理由に治療を中断しないようにしましょう。腸の疾患であるため生活習慣とは密接に関連しています。以下の内容を意識しながら生活することで、病状悪化をなるべく避けるようにしましょう。

食事:偏食にならないようバランスを念頭に、低脂肪で食物繊維が少ない食事を基本とします。個人個人負担となりやすい食材が異なるため、まずは食事をすべてスマートフォンに記録しておくと効率的です。暴飲暴食が腸へ負担となることは言うまでもありません。

運動:まずは軽運動を習慣づける事が大切です。無理のない範囲から始め、継続することを目標としましょう。20分以上、脈拍が100を超え、軽く汗ばむ程度の運動を2回/週から始めてみましょう。

アルコール:飲酒によりクローン病の発症が増える報告はありませんが、アルコールによる腹痛は研究データがあるようです。飲酒がやめられない方は「寛解期に少量」であれば腸への負担は軽減できると考えます。ただし、飲酒後に必ず腹痛や下痢を起こす方はすぐに禁酒をお勧めします。

喫煙:タバコはクローン病の病状増悪や再燃に影響があることが分かっています。すぐに禁煙してください。

妊娠・出産:妊娠・出産は可能です。ただし、妊娠中や授乳中には胎児・乳児への影響を考慮し薬物療法を行うことになるため、妊娠する前に主治医に相談し方針を決めておくと安心です。また、突然妊娠がわかっても、すぐに服薬を中止するのではなく、すぐに主治医にご相談ください。妊娠中、授乳中に強い薬剤をなるべく控えるため、再燃や増悪を避ける治療を要します。また、妊娠中、授乳中は普段より必要な栄養素が増えるため、食事療法にもより一層注意が必要となります。

「食道がん」とは

喉から胃に位置する飲食物の通り道「食道」。その粘膜からがんが発生し放置された場合、範囲を広げ、食道壁へ深く増大していきます。やがて食道の管腔を占めるように狭くなり、飲食物の通りを妨げるようになります。

<特徴>

食道は他の消化管(胃や大腸)と構造的な違いがあり、「漿膜」が存在しません。これは胃や大腸を包む強固な膜で、癌の進行を物理的に一時抑える役割もあります。食道の周囲には「気管」、「大動脈」、「神経」、「背骨」などの重要な組織が近接しており、漿膜を持たない食道にがんが発生し増大してしまうと、容易に周囲の組織に「直接浸潤」してしまう傾向があります。それゆえ食道がんはその他の臓器に転移しやすいというわけです。

<原因とリスク>

最大の危険因子は「飲酒」と「喫煙」です。アルコールはアセドアルデヒド(発がん物質)を発生させます。体質的にアセトアルデヒドの分解活性が弱い方は、食道がんの発症率が上がります。 お酒を飲んで顔の赤さを指摘される方はさらに要注意です。そのほか、「逆流性食道炎」や「バレット食道」と呼ばれる食道粘膜の慢性変化が指摘されている方も食道がん発症のリスクがあります。

<症状>

発症初期の自覚症状はありません。つまり下記のような症状が現れる頃には進行が予想されます。

  • 物を飲み込みにくくなる
  • 飲み物は飲めるけど食べ物(固形物)はひっかかる感じがする
  • 食後すぐに吐いてしまう
  • 風邪もひいていないし喘息もないのになぜか慢性的に咳が出る
  • 声がかすれる
  • 体重が減る
  • 胸や背中の痛み、胸焼け

<検査>

食道がんは定期的に検査を受けることで、比較的発見しやすいがんと言えます。何と言っても胃カメラが重要です。口あるいは鼻から胃カメラを挿入し、食道だけでなく胃、十二指腸の状態を直接観察できます。食道粘膜に特殊な光を当てたり、ヨード散布行ったりすることで食道腫瘍の有無を調べることができます。万が一粘膜異常を認めた場合には、組織を採取し病理診断が可能です。「胃カメラはきつそう、苦しそう」というイメージのため検査に対して不安を感じる方もおられますが、鎮静剤を使用し眠った状態で検査を受けることも可能で、苦痛を感じずに受けられます。

その他、PET検査やCT検査、透視検査(バリウム造影)などが挙げられますが、個人的にはこれら検査は早期発見に適さないと考えます。食道がんの診断がついてしまった患者様に対して、がんの進行度を調べる目的としてはこの上ない検査と言えます。

<診断と治療>

がんの進行度は、一般的に「ステージ」と呼ばれ分類され、それぞれ治療方法が異なります。よって、「ステージ」が決まると、患者様のご年齢や体力、腎機能、肝機能や普段の生活を考慮し、一人ひとりにあった治療方針を提案、選択することになります。ここで最も重要なことですが、「早期食道がん」や「表在型食道がん」と診断がついた方には内視鏡(胃カメラによる)治療が可能です。身体にメスをいれることなくがんが切除できるため、早期発見が大切であることはご理解いただけるかと思います。
残念ながらそれ以上に進行した食道がんの診断がつくと、外科的切除(手術)、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)の中から選択を行います。

<さいごに>

当院では患者様の苦痛に最大限配慮した胃カメラ検査が可能です。ささいな症状でもお気軽にご相談下さい。

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「胃がん」とは

胃粘膜に発生したがん細胞が増殖を繰り返し、増大しながら深く浸潤する病気です。 初期の胃がんはほとんど症状がありませんが、何らかの症状が出現し発見した時には何年も経過し進行している場合があります。胃粘膜の外側へ直接広がり、やがてリンパ節や他臓器に転移するため命に関わってきます。胃がんの予防と早期発見・早期治療が最も重要です。
冒頭で声を大にしてお伝えしておきたいことは、

  • 「胃がんの原因はピロリ菌です。感染の有無を評価しましょう」
  • 「早期胃がんは胃カメラで切除できます」

ということです。

<症状>

繰り返しになりますが初期の胃がんに自覚症状はありません。進行しても症状が現れない場合もあります。 胃がん特有の症状はなく、その他の疾患と同様、胸焼けや吐き気、みぞおちの違和感や痛み、食欲不振、物が飲み込みにくいという症状を訴えられる方を多くお見受けします。

<原因>

ピロリ菌の持続感染による慢性胃炎が最大の原因です。そのほか、遺伝的要素も大きく関わっています。生活習慣では塩分過多や食物繊維不足、喫煙などが影響します。ピロリ菌の除菌療法を行うことで、胃がんのリスクや、胃がん再発のリスクを抑えることができ、次世代への感染予防ができます。

<検査>

胃がんにとって最も重要で有用な検査は「ピロリ菌感染評価」と「内視鏡(胃カメラ)検査」です。喉から食道、胃、十二指腸までの粘膜を直接観察できるため早期胃がんなどの発見だけでなく、その切除が可能です。また粘膜異常を認めた場合は組織の採取、病理検査もできるためこれ以上に優れた検査はございません。

その他、PET検査やCT検査、透視検査(バリウム造影)などが挙げられますが、これら検査は早期発見に適さず、胃がんの診断がついてしまった患者様に対して、がんの進行度を調べる目的としてはこの上ない検査と言えます。

<診断と治療>

がんの進行度は、一般的に「ステージ」と呼ばれ分類され、それぞれ治療方法が異なります。よって、「ステージ」が決まると、患者様のご年齢や体力、腎機能、肝機能や普段の生活を考慮し、一人ひとりにあった治療方針を提案、選択することになります。ここで最も重要なことですが、「早期胃がん」の診断がついた方は内視鏡(胃カメラによる)治療が可能です。身体にメスをいれることなくがんが切除できるため、早期発見が大切であることはご理解いただけるかと思います。
残念ながらそれ以上に進行した胃がんの診断がつくと、外科的切除(手術)、化学療法(抗がん剤治療)による治療となります。

<分類>

胃がんの多くは腺がんで、分化型と未分化型に分けられます。イメージとしましては分化型が固形でグングン大きくなるのに対して、未分化型は細かいがん細胞がパラパラと広がっていくため進行が早く広がりやすいといわれています。未分化型は発症後早い段階で粘膜深層へ潜り込み発育する特徴があるため、発見が困難なスキルス胃がんとして知られているものです。

<さいごに>

前述しましたように、胃がんは「ピロリ菌感染の評価」と「早期発見・早期治療」が重要な鍵となります。些細な症状も我慢せず、お見逃しのないよう、お気軽にご相談下さい。

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「大腸がん」とは

大腸がんの多くはポリープが大きく成長し悪性化したものです。内視鏡(大腸カメラ)検査でポリープを発見した場合は、サイズや形態によっては内視鏡切除が可能であり、大腸がんの発生予防となります。症状が現れない初期の大腸がんでも内視鏡検査で発見が可能です。全大腸がんの7割程度がS状結腸や直腸に発生します。

<原因とリスク>

がん家系といった遺伝的要素は大きく関わっています。親族に大腸がんの方がおられましたら定期的な検査を心がけてください。また、大腸がんはかつて欧米人に多くみられた疾患でしたが、日本食の欧米化に伴って日本でも多く見られるようになったとの見解です。リスクを下げるためには「適度な動物性脂肪」や「食物繊維の摂取」、「生活習慣の改善」が効果的と言われています。

<症状>

大腸ポリープや初期の大腸がんに自覚症状はほとんどありません。やがて大腸がんが進行すると「血便」や「便秘・下痢といった排便障害」、「お腹の張り」や「腹痛」などの症状が現れます。それでも放置すると「狭窄」から「閉塞」となり嘔吐を繰り返す様になります。

<検査>

大腸がんにとって最も重要で有用な検査は「内視鏡(大腸カメラ)検査」です。肛門~盲腸までの大腸粘膜を直接観察できるため大腸ポリープおよび早期大腸がんなどの発見だけでなく、その切除が可能です。また粘膜異常を認めた場合は組織の採取、病理検査もできるためこれ以上に優れた検査はございません。

もう一つ簡便な検査として「便潜血検査」があります。これは字の如く、便の中に血が混じってないか調べる検査です。とても優れた検査で大腸がんの可能性を指摘します。

その他、PET検査やCT検査、透視検査(バリウム造影)などが挙げられますが、これら検査は早期発見に適さず、大腸がんの診断がついてしまった患者様に対して、がんの進行度を調べる目的としてはこの上ない検査と言えます。

<診断と治療>

がんの進行度は、一般的に「ステージ」と呼ばれ分類され、それぞれ治療方法が異なります。よって、「ステージ」が決まると、患者様のご年齢や体力、腎機能、肝機能や普段の生活を考慮し、一人ひとりにあった治療方針を提案、選択することになります。ここで最も重要なことですが、「早期大腸がん」の診断がついた方は内視鏡(大腸カメラによる)治療が可能です。身体にメスをいれることなくがんが切除できるため、早期発見が大切であることはご理解いただけるかと思います。
残念ながらそれ以上に進行した大腸がんの診断がつくと、外科的切除(手術)、化学療法(抗がん剤治療)による治療となります。

<さいごに>

当院では大腸ポリープを発見した場合にサイズや形などの条件が合えば日帰りで切除が可能です。また、検査前には大腸内をからっぽにする前処置が必要ですが、リクライニングシートとテレビを完備した完全個室でお過ごし頂けます。検査が苦手な方には鎮静剤を使用して眠った状態での検査が可能ですので、患者様の苦痛やプライバシーに最大限配慮し安全な検査がご提供できます。
ささいな症状、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談下さい。

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きたがわ内科のりこ皮ふ科クリニック

〒860-0863 熊本県熊本市中央区坪井1丁目3-46

院 長
北川祐介
医 師
北川 徳子 (皮膚科・美容皮膚科)
山城 健一 (整形外科)
園田 英一朗 (内科)
梅田 照久 (循環器内科)
診療内容
消化器内科、皮膚科、美容皮膚科、整形外科、内科、循環器内科、睡眠時無呼吸症候群、訪問診療、リハビリテーション科、健康診断、予防接種、胃カメラ・大腸カメラ
TEL
096-343-1200
アクセス
藤崎宮前駅から徒歩4分

当院で満たす施設基準および加算に関する掲示

明細書の発行状況に関する事項
当院では医療の透明化や患者さまへの情報提供を積極的に推進していく観点から、領収書の発行の際に個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を発行しております。
夜間早朝加算/休日加算に関する事項
厚生労働省の規定により、土曜日の12:00~14:00は加算が適用されます。(※土曜12前にご予約の方は、算定致しません。)
1割負担の方 50円
2割負担の方 100円
3割負担の方 150円
診療時間 日祝
9:00~13:00
~14:00

~14:00
14:30~18:00

休診日水曜・土曜午後、日曜、祝日

受付は診察終了時間の15分前までにお願いいたします。
皮膚科は「順番予約」となります。なるべくWEB予約をご利用ください。急患や処置を要す場合があり、順番が前後することもありますのでご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。
※美容皮膚科は、完全予約制(電話・WEB)となりますのでご了承ください。
※整形外科は月曜・金曜の午後診療のみで、新患の受付は基本的に行えませんのでご了承ください。

診療担当表
内科・
内視鏡
午前 北川(祐) 北川(祐) 北川(祐) 北川(祐) 北川(祐) 北川(祐)
午後 北川(祐) 北川(祐) 北川(祐) 北川(祐)
皮膚科 午前 北川(徳) 北川(徳) 北川(徳) 北川(徳) 北川(徳) 北川(徳)
午後 北川(徳) 北川(徳) 北川(徳) 北川(徳)
内科 午前 梅田
午後 園田 園田
整形外科 午前
午後 山城 山城
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