不眠・睡眠時無呼吸外来

睡眠時無呼吸症群：SAS（sleep apnea syndrome）とは

※以下、SAS（サス）

睡眠中の呼吸状態が浅く弱い（低呼吸）、または止まった状態（無呼吸）が断続的に繰り返される事により十分な睡眠が摂れず、「日中の眠気」、「集中力低下」、「活力に欠ける」などの症状が慢性的に続く病気です。
普段の生活で大きく関わるのが居眠り運転による事故と言えます。2002年頃から重大事故をきっかけに度々話題に挙がるようになり、今ではよく耳にするようになりました。有病率は日本人口の2～4％（約300万人以上）と推定されています。

SASが引き起こす主な症状

• 夜間覚醒、睡眠が浅い
• いびき
• 夜間頻尿
• 起床時頭痛
• 日中の眠気、集中力低下

SASで行われる検査

ご自身がSASかどうか、良質な睡眠がとれているかどうかは調べることが可能です。 この指標として用いられるのが、一晩における、

• 1時間あたりの無呼吸低呼吸

AHI（無呼吸低呼吸指数：Apnea hypopnea index）

※無呼吸（apnea）＝10秒以上の呼吸停止
※低呼吸（Hypopnea）＝正常呼吸の70％以下の呼吸が10秒以上

• 1時間あたりの酸素飽和度の低下回数

ODI（酸素飽和度低下指数：Oxygen desaturation index）

当院で可能な検査

簡易型睡眠ポリグラフ検査

この検査は、機器を当院からお貸出し、ご自宅で一晩装着して眠るだけの簡単なものです。

発生機序

異常がない方は通常、覚醒時より咽頭腔が狭くなっても閉塞することはありません。しかし、睡眠時無呼吸を来す方は、もともと咽頭腔が狭かったり、睡眠による呼吸筋の緊張低下などにより気道が閉塞してしまうことで無呼吸・低呼吸を引き起こします。

正常な状態の上気道

閉塞している上気道

SASと生活習慣病・合併症について

SASがあると生活習慣病リスクが増大します。「糖尿病」や「高血圧症」、「心疾患」、「脳血管疾患」を予防する観点からも、良質な睡眠がいかに重要かお分かりいただけると思います。

治療

SASの診断がついた方にはその重症度に合わせて、

CPAP（Continuous positive airway pressure）：経鼻的持続式陽圧呼吸療法
睡眠中に鼻マスクを装着し、CPAP装置により持続的に空気を送り込み、上気道を閉じないようにして気道閉塞（無呼吸）を予防します。

見わずらわしい様に見えますが、実際に使用されている患者様からは一見すると
「随分楽になった」、「目覚めが違う」、「これが無いと眠れない」、「出張にも欠かせない」などの声が聞かれます。

まずはご自身の「睡眠の質」が気になる方は、お気軽にご相談ください。