イカ、さば、美味しいですよね。

美味しすぎてうっかり食べ過ぎる方、お気持ちは分かりますが要注意ですよ。

さっきまであんなに楽しい一時を過ごしていたのに、

帰宅後強い腹痛におそわれ救急を受診。夜中に緊急胃カメラ検査でアニサキスを除去。

まれではありません。

ご存知アニサキスは海産動物に寄生する寄生虫で、

体長は1～3cm程度ありますので、肉眼でもはっきり見えます。

＜アニサキスが寄生し得る魚介類＞

実は数多くあるため羅列いたします。（すこし漢字のお勉強も兼ねて・・）

鯖、鮭、イカ、鰯、秋刀魚、ホッケ、めじ鮪、金目鯛、鰆、鰊、アイナメ、イカ

これらを生のまま、または生に近い状態で食べるとアニサキスに侵入されます。

養殖魚にはアニサキスの寄生がほとんど認められていないとの噂です。

＜症状＞

新鮮な魚介類を食しておよそ３〜４時間後に、激しい心窩部（みぞおち）痛が出ます。

なかには嘔吐される方もお見受けします。

アニサキス症はアレルギー症状が主体であるため「じんま疹」が現れることもあります。

基本的に下痢はないので食中毒とは異なります。

まれに数日たって腹痛が出ることがあり、この時は小腸以降に虫が侵入している可能性を考えなければなりますまい。

＜治療＞

・胃カメラによる虫体摘出（当院でもアニサキスの摘出は可能です）。胃内に複数虫体を確認することもあります。

・抗アレルギー薬や鎮痛剤による対症療法

＜アニサキスに感染したくない方へ＞

・新鮮な魚介類は美味しいですがリスクが高い

・60℃で1分以上の熱処理もしくは逆に、マイナス20℃で24時間以上の凍結

・ご自身で魚介類さばく方は、より新鮮なものをチョイスし早めに内臓除去。その後低温（4℃以下）で保存。特に内臓近傍の筋肉部分（ハラス）は注意

・細かく刻む

 ＜予防効果が期待できない方法＞

一般的に「よく噛んで食べる」や、「薬味（しょうが、わさび、にんにく）」、「お酢でしめる」などはほとんど効果が得られないと言われています。

＜さいごに＞

じゅうぶん注意しても避けられない場合がございます。

会食後の強い心窩部痛はアニサキスのほか、「急性膵炎」や「急性胆嚢炎」なども考慮する必要がございます。

ささいな症状、ご不安な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。