大腸ポリープは・・・
「大腸ポリープ」と聞くとどのようなイメージをお持ちでしょうか。
なんとなく嫌な予感がする方が多いと思います。
間違いではありませんが、「まずはこれだけ抑えておけば十分」というポイントを
簡単にまとめてみます。
まず、「ポリープ」=「悪性」ではありません。
ポリープはというのは粘膜からできた隆起物のことを言い、
「良性」「悪性」は問いません。
言い方を変えますと
「がん化する可能性があるポリープ」と「がんにならないポリープ」、
「既に少しがん細胞が混じっているポリープ」ですとか、
「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」などと少しずつ意味合いが異なります。
分類をお示ししますとこの様になります。
大前提として、大腸にポリープがあるかどうかは大腸カメラをしないと分かりませんのでご了承ください。
患者様にとって最も気になるのは、
・発見されたポリープが「がん」なのか、そうでないのか。
・将来「がん」になる可能性はあるのか、
・切除した方がよいのか、放っておいてよいのか
だと思います。
実は大腸カメラで発見されるポリープは
大半が「腺腫性(せんしゅせい)」もしくは「過形成性(かけいせいせい)」です。
<腺腫性ポリープ>
サイズが大きくなると「がん化」する可能性がある「腫瘍性ポリープ」です。よって中には既にがん細胞が混じっているケースもありますので治療の検討が必要になります。
<過形成性ポリープ>
「がん化」の可能性は限りなく低く、基本的には経過観察となることが多いです。ただし右側結腸(盲腸~横行結腸)でみられるこのポリープが発見された場合は、わずかながら腫瘍化する報告が散見されるようになってきており、最近では切除されるケースもあります。
<大腸ポリープの切除方法>
ほとんどのポリープが大腸カメラ(内視鏡治療)で切除可能です。
しかし、大きさや形・ポリープの種類によってその方法が異なります。
代表的なものに以下の3つがあります。
・コールドスネアポリペクトミー(CSP: Cold snare polypectomy)
・内視鏡的粘膜切除術(EMR: Endoscopic mucosal resection)
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD: Endoscopic submucosal dissection)
このうち、CSPとEMRは、ポリープのサイズや形態にもよりますが、
日帰りもしくは1~2泊程度で治療できます。
※ESDは、5~10日程度の入院が必要になります。
<大腸カメラは何年に一回受ければ良いですか?>
ガイドラインでは、3年に1回の目安を推奨・提案しています。
しかし、家族歴がある方や、ポリープができやすい方などに対しては
もう少しタイトな経過観察が望ましい場合もあります。
そのほか、
大腸ポリープをいくつか切除した場合は、翌年に観察を行い、
問題なければ検査の間隔を広げていく方が安心かと個人的に考えます。
<まとめ>
簡単にお伝えするつもりが、少し煩雑になってしまいました。ご理解くださいませ。
大腸ポリープには様々な種類があります。
どの領域でも同じですが、
共通して言えることとして「早期発見・早期治療」がなにより大切と考えます。
ささいな不安や症状も、お気軽にご相談ください。