肥満症治療に対する当院の考え
2026年3月4日
~肥満は「根性論」で語られるべきものではない~

「高血圧」、「2型糖尿病」、「脂質異常症」、「脂肪肝」、「睡眠時無呼吸症候群」。
その多くの背景に肥満が関与しています。
逆説的に申し上げますと、減量することで、血圧が下がり、血糖が安定し、将来の心筋梗塞や脳卒中リスクが下がる。
これは数多くの臨床研究で示されている事実です。
私は日々の外来で、
- 何度も自己流ダイエットに挑戦しては失敗してきた方
- 体重のせいで自己肯定感が下がっている方
- 生活習慣病が悪化しているのに減量ができず悩んでいる方
を多く診てきました。
ゼップバウンド(チルゼパチド)は、
そうした方にとって「意志の力を補助する医学的治療」になり得ます。

■薬だけで解決するとは考えていません
当院では、
- 適応を厳密に判断します
- 血液検査を含めた安全管理を行います
- 生活習慣指導を必ず併用します
- 定期的なフォローを前提とします
単なる「痩せ薬の処方」は行いません。
肥満症は慢性疾患です。
本気で健康を守るための治療として取り組む方のみを対象としています。

■ 美容目的のGLP-1治療との違い
現在、SNSなどでGLP-1製剤が「簡単に痩せる薬」として広まっています。
しかし本来これらは、
医学的適応に基づいて使用されるべき薬剤です。
当院では、
✔ BMI基準を満たさない方
✔ 短期イベント目的の減量希望
✔ 医学的フォローを受ける意思のない方
への処方は行っておりません。
これは患者様を守るための方針です。
■ 私が肥満症治療に取り組む理由
肥満を放置すると、
- 将来の透析
- 心血管イベント
- 認知機能低下
- 運動機能低下
などにつながる可能性があります。
私は「今の体重」ではなく、
10年後・20年後の健康を見据えた治療を提供したいと考えています。
ゼップバウンドはその一つの選択肢です。
しかし万能ではありません。
適切な診断、適切な投与、適切な継続。
これが何より重要です。
■さいごに
肥満は「自己責任」ではありません。
医学的にアプローチできる疾患です。
もし、
- 本気で健康を取り戻したい
- 生活習慣病を改善したい
- 将来のリスクを減らしたい
そうお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
