消化器内科医にできること
日本が世界に誇る技術を駆使し、その力を存分に発揮できる内視鏡診療。
消化管領域(食道・胃・十二指腸・結腸・直腸)に発生するがんの診療は日進月歩です。
「超音波内視鏡」、「拡大・超拡大内視鏡」、「AI」の誕生により、
がんの有無検索だけでなく、質的診断(組織型・範囲・深達度)を
求められるようになりました。
そのうえ更に、様々な内視鏡処置具(デバイス)の発展により
安全な治癒切除が可能となっています。
色々偉そうなこと言ってますけど、つまり
「早期発見できたがんは、お腹を切らずに治せる時代」ってわけです。
我々消化器内科医の役割は、
がんの発見
→ 発見したがんの詳細観察
→ 治療法の決断
(内視鏡的切除(粘膜下層剥離術:ESD)か、外科的切除(手術)か)
となります。
(大腸ポリープ拡大画像:細かい血管まで詳細観察できます。写真は良性ポリープですが前癌病変です)
話はまだ終わりません。
がん診療の他に、年々急増する「慢性炎症性腸疾患」の発見・評価・マネジメントも
内視鏡検査がお役にたてる領域となります。
慢性炎症性腸疾患とは
「クローン病」、「潰瘍性大腸炎」など、
聞き慣れんけど、どっかで耳にしたことあるわ くらいの認識の方が多いかと思います。
主に若年期に発症する原因不明の腸疾患で、
頻回の下痢や腹痛、時々発熱や血便を伴う症状で発見されます。
残念ながら現時点で根治が難しい疾患となっており、
そのマネジメントが重要となります。
若年の患者様が不自由のない日常生活をおくり、
人生の転機となる進学、就職、結婚、出産を無事に迎えることを目標とするわけです。
それが我々の励み・やりがいになるとです。
もうすぐ終わります。あと6行です。
内視鏡診療だけでなく、
免疫調整薬や生物学的製剤を含む薬剤も留まることなく進化しており、
その知識をもって、患者さんの背景に沿った治療提供が必要となります。
もちろん大前提として、
「苦痛の少ない検査」を、「より多くの患者様に受けていただく」よう促すことも
消化器内科医の大事な役割となります。