「高血圧症」について考えてみた

先日1月22日(日)に東京で開催された高血圧症治療のシンポジウムへ参加させて頂きました。大変勉強になりましたが、内容が濃く、盛りだくさんであったため、後日簡単にまとめてお話できればと思います。

今回のテーマは

「そもそも高血圧症ってなんぞや」

についてお話いたします。

「高血圧症」という言葉はもはや誰もが聞いたことあるでしょう。

しかし言葉だけが先行しており、あまりその意味については興味を持たれていない方が

多い印象です。

もしくは分かっているけど、放っている方も・・

今日はこれを読んで、一人でも多くの方に興味をもっていただき、積極的に検査・治療を検討していただければと思います。

「高血圧症」は立派な病気ですよ

「血圧が高いですね」と言われても、普段の自覚症状がありません。

「たまたま測った時に高かっただけでしょ」

「まだ大丈夫でしょ」

とご自身に言い聞かせる。

「高血圧症」が重要視されていない原因の一つと考えます。

一番怖いのが「放置」です。「高血圧の放置」は「動脈硬化」を進行させ、

やがて「ある日突然」命に関わる病気「脳心血管病」を引き起こすのです。

「高血圧症」の基準は?

2019年の「日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン」で発表された

こちらを御覧ください、

簡単に一言で言いますと

  • 自宅での測定:135/85mmHg以上
  • 医療機関での測定:140/90mmHg以上

「高血圧症」の診断となります。

大事な点として、一度の測定ではなく、数日~数週間の測定で判断することです。

 理想は、自宅で130/80mmHg以下(120/75mmHg前後で推移)です。

※治療中の病気がある方や年齢等で目標とする血圧は異なりますのでご注意ください。

動脈硬化の影響は?

厄介なことに、この「動脈硬化」も無症状ですので、事が起こるまで分かりません。

「動脈硬化」による血管ダメージの蓄積により、血管がもろくなり、目詰まりを起こしやすくなります。

そうです、

   「脳梗塞(のうこうそく)」

   「脳出血(のうしゅっけつ)」

   「狭心症(きょうしんしょう)」

   「心筋梗塞(しんきんこうそく)」

の最大の要因となるのです。

もちろんこれだけではありませんが、これらは直接「命」と関わり、いわゆる「突然死」のリスクであり、助かったとしても重大な後遺症を残すため大変恐れられているものです。

高血圧症の「治療」は?

まずはいきなり薬物療法ではありません。生活習慣の見直しから始めます。

以下の5つをご確認ください。

  ・1日の塩分量(6g以下)     ←最重要!

  ・運動量            ←継続できる軽運動から

  ・食事のバランス

  ・禁煙             ←最低条件と言っても過言ではありません

  ・体重コントロール(肥満の人はダイエット)

これらを普段から意識して頂くことが非常に重要となります。

特に「日本人は食塩感受性が高い」にも関わらず、

塩分摂取量が非常に高い主食を好む傾向にあり、要注意です。

高血圧症の人は薬を一生続けるの?

上記の5項目を実践、継続できれば薬が不要になる方もおられます。

しかし、それでもなお、体質(家族性/遺伝)のため血圧が下がらない方もおられ、

薬の継続が必要となります。

薬を飲んでいれば安心?

薬を飲んでいても、自宅血圧が130/80mmHg以下まで下がっていなければ意味がありません。

私たち医師が、血圧値に応じて薬を調整いたします。場合によっては複数の薬を併用する必要もあります。

目標血圧を達成すれば大丈夫ですか?

「動脈硬化は血管の老化」であり年齢とともに進行します。つまり一旦進んでしまった動脈硬化は残念ながらもとに戻りません。

高血圧症は血管の老化に拍車をかけるのです。

血圧を正常に保つことは、アンチエイジングにつながり健康寿命を伸ばすことができます。

ぜひ、目標血圧の維持・継続を心がけるようにしてください。

さいごに

高血圧症治療の最大の目的は、人生の後半をできるだけ長く健やかに過ごすことです。

そのための投資です。

社会問題となっている「健康寿命の増進」「高騰する医療費」といった課題を解決するための糸口といっても過言ではありません。

この記事をみて少しでも興味を持ち取り組んでいただけると幸いです。

ご不明な点やささいなお悩みはお気軽にご相談下さい。

キタさん
  • キタさん
  • 出身:福岡県北九州市
       令和4年4月に熊本へ移住
    趣味:映画、旅行、ドライブ、ゴルフ
    資格:日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医